概要
エラーコードU0は、ガス欠(冷媒不足)異常です。
エアコン本体各部の温度センサー(サーミスタ)値から、冷媒ガス不足の可能性有りと判断されて停止している。
想定部品・故障個所
- 冷媒漏れ
- センサー(サーミスタ・圧力センサー)
- 圧縮機
- 膨張弁
U0エラーの場合、殆どは冷媒漏れです。
施工時のフレア部分・室内熱交換器・室外熱交換器が漏れやすい箇所となります。
他、センサー故障により、読み取り値が実際値と違ってしまう事による誤判定。
圧縮機劣化(錆び)による穴あき・圧縮不良によって温度変化が起こらない。
膨張弁開閉不具合により、冷媒ガスが上手く流れない。
自分で出来る事
基本的に無し。
電源リセットは意味有りません。
エラー解除されて運転するようになりますが、冷媒不足=圧縮機へダメージを負う可能性が有りますので、お勧めしない。
(運転中、圧縮機は高温になります。それを冷却しているのが冷たいフロンガスです。)
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診断方法
ガス欠の判定は、運転圧力・吸込/吹出温度の差・熱交や配管の凍結等から総合的に判断。
すでに運転されている機器に対して途中からゲージを取り付ける等より、停止状態から点検し始めた方が分かりやすい。
冷媒漏れ
- 施工時のフレア部分
- 現地配管の劣化(特に室外機周辺)
- 分岐管(特に既設流用の場合)
- 室内熱交換器
- 室外熱交換器
- 圧縮機下部
- キャピラリ配管(室外機内・四路切替弁キャピラリ部分)
基本的には、フレア・熱交換器からの冷媒漏れがメイン。
更新工事の際、配管延長する為にユニオン使用している場合が有る。
ユニオン繋ぎは漏れやすいので注意(特に、2分・3分の配管)。
圧縮機
圧縮機故障によるガス欠判定パターンは、圧縮不良。
(圧縮機内部のモーターは回転している為、圧縮機異常とはならない。)
圧縮不良→圧力変化が起こらない→温度変化が起こらないので、ガス欠判定となる。
ゲージ圧が変動していないようなら、ポンプダウンしてみる。
ポンプダウン実施しても、圧力が下がらなければ圧縮不良。
センサー(サーミスタ・圧力センサー)
センサー故障の場合、運転開始時は良い感じだが途中から急変する。
急変した後の状態から点検すると、ガス欠と診断してしまう可能性が高いので注意。
ガス欠の場合、圧力的に良い感じの値に上昇する事は無い。
例えば、R410AやR32の機器。
冷房で低圧1Mpa超えた・暖房で高圧2.5Mpa超えた等。
一時的に良い感じの圧力まで上昇したがその後に下降した場合、吸入管サーミスタや熱交サーミスタを疑う。
(吐出管サーミスタを疑った事は無し。)
膨張弁
膨張弁が開かない場合、冷媒の流れが遮られる。
その結果、適正な温度変化が起こらないのでガス欠判定される。
冷房運転時、膨張弁出口から凍結・低圧がポンプダウンしたような感じで0Mpa付近まで下がる。
膨張弁を手動で開けられる冶具(ドーナツ型の磁石)を用意しておくと役に立つ。