エアコンの臭いが酸っぱい。
お酢じゃないけど、なんだか鼻につくような酸っぱい臭い。
私自身もこのような依頼で点検する事が有ります。
結局、点検に行った際にはあまり感じない事が殆どなのですが、お客さんは口を揃えて
「部屋にいられない位に酸っぱいニオイが充満する」と言います。
使っていれば汚れるのは当たり前だからと思いきや、一部のエアコンでは新品導入間もない時から酸っぱいニオイが出てくる事も。
酸っぱいニオイというのはカビ・ホコリとも違うような感じなのですが、1つだけニオイの候補が有ります。
あくまで考察なのですが、それが「親水塗料」です。
親水塗料とは?
水が染み込むようにする特殊塗料です。
エアコンの熱交換器に親水塗料が使われています。(すべてのエアコンが当てはまるかは不明。)
フィンの表面はツルツルしています。
ツルツルしていると言う事は、「撥水性が有る」訳です。
エアコンの室内熱交換器というのは基本的に撥水してはいけません。
冷房運転中、結露した水が発生するからです。
撥水していると、結露した水が玉になってしまいます。
車のワックスで考えると分かりやすいですね。
雨が降るとワックスがけしている車は、水玉になりプルゥンっと綺麗に流れ落ちます。
しかし、ワックスかけていない車は、ベタぁ〜っと染み込んでいるような感じになりますよね。
エアコンの熱交換器の理想は、ワックスがけしていない「ベタぁ〜」なんです。
水玉の発生=水漏れというか、水玉が飛んで来てしまうのです。
ファンの風の力で水玉がピュンっと飛んでしまうようになります。
そうすると、水玉がドレンパン(水受け)外に落ちてしまい、結果として水漏れになってしまうのです。
だから親水塗料というものを使い、発生した結露水がフィンにベタぁ〜となるような感じにする訳です。
で、怪しいのはその親水塗料です。
この塗料が酸っぱいニオイを発している可能性が高い。
高いというか、それしか可能性が無いんだけどなぁ〜という感じと言った方が正しいか。
熱交換器に使われている部材なんていうのは、
- 銅
- アルミ
- 枠は鉄?ステンレス?(結構錆びてたりするから鉄?)
- U字部分溶接に使うロウ材(ロウ材=金属の棒)
ニオイなんて発しないですよね。
金属の臭いは有るかもしれませんが、金属の臭い=酸っぱくないですよね。
そうすると臭いを発するのは薬剤系しか無いような…。
使われている薬剤を考えると、酸っぱいニオイを出しているのは「親水塗料」しか無いんじゃないかと思うという訳です。
全く同じモデル(メーカー・グレード・サイズすべてね)のエアコンを2台設置した家。
使い方も、部屋の条件も部屋の臭いも変わらない。
設置後1ヵ月で片方は何もない、もう片方は酸っぱいニオイが。
製造番号も近い。
この条件でも酸っぱいニオイが出る物と出ない物が有ります。
説明がつきません。
目に見えるカビもホコリも有りません。
ぴかぴかです。
ちなみにこの状態で、臭いが出る方を薬品洗浄実施。
(エアコンクリーニング屋さんがやっているような、壁につけたまま洗う方法ではない。外してバラバラにして細部まで薬品洗浄ね。)
結果、水の黒い汚れは無し。(そりゃそうです。汚れてませんから。)
もちろん新品でも使い始めた時から、カビは発生し始めますよ。
それが原因かどうかを確認する為、バラバラにして細部まで徹底洗浄してみた。
洗っても無駄でしょうという予想の元、実験として。
その結果はどうだったか?。
洗った直後はニオイしない。
だが、3日ほどで再び酸っぱいニオイが発生し始めたとの事。
(・・・予想通りですので、エッ!とはならないが。)
しょうがないので熱交換器を新しい物へ交換して・・・解消です。
こんな感じだから、親水塗料も同じものが使われているでしょうが、疑うべきは親水塗料しかないような・・・という考察です。